Chapter 4: 4. メガネをかけた一番カッコイイ奴。ええ、僕のことじゃないけど...
彼の名前はチョウ。僕と同じ学年だけど、中学校では生徒会長をしていた。それで、高校に進学するとき、学校年度が始まる前に生徒会に引き抜かれたんだ。
チョウは寡黙で、非常に規律正しく、何事にも真剣だ。彼は背が高く、色白で、ハンサムで、頭が良く、スポーツもできて、課外活動にも優れている。うちの学校は男子校だけど、他の学校の女の子たちが彼に告白しに来ることがよくあるんだ。彼がすごいのは女の子だけじゃなくて、僕を含めた男の子たちも彼をとてもクールだと思っているんだ。彼の真似をしてメガネをかけたり、真面目な態度をとったりする男子もたくさんいることからもわかる。
朝、チョウは学校の入口で制服のチェックをしているので、毎日顔を合わせる。最初はかなり不安だった。彼の視線が僕に向けられていると感じるたび、また何か馬鹿なことをするんじゃないかと見張られている気がしたからだ。そして実際にやってしまった。蝶々に気を取られて学校マラソンで迷子になったり、昼寝をしに体育館に忍び込んで閉じ込められたり、いつもチョウが助けに来てくれた。
なぜ彼ばかりが助けに来るのか、クラスも違うのに全くわからなかった。でも彼の顔を見るたびに、少し安心した。チョウは感情を隠すのが上手なので、彼が何を考えているのかわからなかったけど、頭を軽く叩かれて罰を受けた後、彼の安堵のため息とほほえみを見て、少なくとも彼が僕を嫌っていないことがわかった。
彼は控えめで近寄りがたい印象があるけど、それがまたメガネをかけた真面目な男としての魅力を増していると思う。時間が経つにつれて、僕たちはどうにかして親友になった。初めて会ってからもう二年が経ったんだ。
「なんで僕が白雪姫を演じなきゃならないんだ！？」
僕は、次の演劇祭で白雪姫を演じるよう強制されたことに怒りを爆発させた。
「変なおばあさんから何かを食べて死んでしまうアホな女の子を演じるなんて、どういうつもりなんだよ！？」と叫んだ。
「学校に行く途中で迷子になるくらいアホなら、変なおばあさんから何かを食べるくらいアホだろうな」と、イベント担当のダイチが返し、クラス全体が大笑いした。
「二年も経ったのに、まだそのことを引きずってるのか？」
「君は小さくて、かわいくて、色白で、大きな目とぽっちゃりした頬、そしてふっくらとした唇を持っている。さらに君のドジでおっちょこちょいな性格と簡単に迷子になる能力を加えると、君は白雪姫の役にぴったりだ。いや、森で迷子になって、他人の家に押し入ってベッドで寝て、変なおばあさんから何かを食べるアホな女の子の役は君以外にふさわしい奴はいない」とダイチが続けた。
顔を一発だけ殴ってもいいかな？
「よし、白雪姫は決まった。次は王子だ。」
「僕が選びたい、僕が選びたい！」と、みんなの注目を集めるためにジャンプして言った。「君たちが僕を白雪姫に強制するなら、少なくとも王子を選ばせてくれ。ジュン、君を選ぶよ。」近くに座っている親友の一人を指さした。
「僕？絶対無理だよ！」ジュンが抗議した。
「彼が王子を演じないなら、僕は白雪姫を演じない。外敵を心配するよりも、内部の対立で失敗するかもしれないよ。」
「本当に僕たちの努力を妨害するのか？」ダイチが尋ねた。
「僕がどれだけクレイジーになれるか知ってるだろう、ダイチ？」と不敵な笑みを浮かべながら言った。
「.....」
「........」
「...わかった！ジュン、君が王子だ。」
「よっしゃ！」勝利の拳を握りしめて歓声を上げた。僕がジュンを選んだのは、ダイチが宣伝のために本物のキスシーンを計画しているだろうと知っていたからだ。ジュンは僕の妹と付き合っている。彼が僕にキスしようとしたら、妹に確実にバレる。
「さて、キャストは決まった。他のクラスが僕たちのパフォーマンスを妨害しないようにしなければならない。準備、防衛、攻撃の三つのグループに分かれよう。今年は僕たちのクラスが勝つ！」ダイチがクラスを鼓舞した。
「勝つぞ、勝つぞ、勝つぞ！」
クラスメイトが大声で歓声を上げるのを見ながら、僕は学校の伝統である演劇祭について考えた。一年生と二年生がシニア、教師、卒業生のために劇を演じる中間儀式のようなものだ。男の子たちが恋愛シーンを演じるのを見るのは面白いけど、一番楽しいのは各クラスが他のクラスのパフォーマンスを妨害しようとする様子だ。成功するクラスは誰にも邪魔されずに演じ切るクラスだ。今まで誰も成功したことがない。このイベントは誇りと名誉のためのものなんだ。
「ニュースがあるぞ！」スパイとして送り出されたクラスメイトが息を切らしながら戻ってきた。全員が彼を見た。「クラス4はシンデレラ、クラス2はロミオとジュリエット、クラス1は眠れる森の美女をやる。でも一番重要なのは、チョウが王子を演じることだ。」
「何だって！？」全員が驚きの声を上げた。チョウはほとんどの生徒にとってアイドルのような存在だ。彼が出演することで、どれだけの人気を集めるか想像できるだろう。「でも彼は生徒会のメンバーだぞ。」
「彼らは、生徒会のメンバーであっても、これは全ての二年生が参加する演劇だから、チョウも参加しなければならないと言っている。」
「クラス1の奴らはズルをしている！このまま見過ごすわけにはいかない。チョウを排除する方法を見つけなければ！」部屋中の全員がすぐに集まり、チョウに対処する方法を考え始めた。
「下剤を使うのはどうだ？」すぐにダイチ、策士が提案した。
「そんなことに引っかかると思うのか？ナオヤはチョウと同じクラスだ。君の手口はすぐに見破られる。去年、彼は君の命令で僕にその下剤を飲ませたんだぞ。」ジュンが反対し、恥ずかしい記憶を思い出して策士に歯をむいた。こんな時には、友達であっても敵になるんだ。それが鉄則だ！
「チョウを倒すなら、最も狡猾な計画が必要だし、発覚しないようにしなければならない。」
僕が口を挟むと、部屋中の全員が僕を見つめた。
「君が計画を台無しにするんだ。出て行け！！」
そうして、彼らは僕を部屋から追い出した。
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