来た者は約五十人ほどで、皆鎧を身につけていて、太陽の光でキラキラと輝いている。隊列中には四つの旗があり、そのうち三つは灰色城の王家を象徴する高塔二矛旗、残り一つは高塔馬頭旗である。彼は頭を働かせて少し考えたが、これが北方ホス家族の紋章であることを認識した。
騎士の隊列から一人が出てきて、声高に叫びました。「私はレーマン・ホース、ティフィコ国王の使節です。王都の決議を持って参りました。吊り橋を降ろしてください。」
「証明書は?」とペイロが顔を出して大声で尋ねた。
相手は後ろから弓矢を取り出し、一枚の紙を矢に結びつけ、直接城の頭に射った。
すぐに横にいた侍衛が矢を拾ってきて、ペイロが羊皮紙を広げてみると、書類の下部に交差した金糸が微かに埋め込まれている。右下角にはウェンブリトン王家の印鑑が押されており、新王の使節であることに間違いなかった。
「橋を下ろし、門を開けろ。」ペイロは深呼吸をし、既に王都の決議の内容をおおまかに推測していた。ローラン・ウェンブリトン関連の何かだろう。偽者でないというなら、新王の使者を門前払いする理由はない。そうすれば、自分達は灰色城と敵対する事となってしまう。この消息が広まれば、他の家族はためらうことなく槍を金銀花領地に向けるだろうし、抑え込んだ暗流も即座に反発するだろう。
しかし、ティフィコが50人の使節団だけを派遣し情報を探りに来たということは、第四王子の言っていたことを裏付けている。新王は今、西の領地を気にかけている暇がないのかもしれない。
もし王子殿下が一千人以上の公爵連合軍を撃退できるのであれば、この50人は恐らく何も成し遂げることはできないだろう。
もちろん、この消息はローラン殿下に速やかに通知しなければならない。
そこで彼は先ほどの騎士を呼び、「ウェストロ、短尾馬を三頭連れて、一路を交代しながら、速やかにこの消息を辺境町の領主に伝えてください。ティフィコの人馬が来たと伝えてください。」と述べた。
「かしこまりました。」とウェストロは頷いた。
騎士が振り返って去っていくのを見て、ペイロはため息をついた。「新王の使者を迎えに行きましょう。」
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