ジャスミンの視点
ジャスミンはベル姫との会話を終えると、ローレンの居室へ向かった。
彼女の心は重く、弱々しかった。
彼女はすでにベル姫と一度ならず対立しており、それからずっと避けていた。
彼女はゆっくりとドアを開け、中に入った。
ドアに背中をもたせかけ、目を閉じて深く考え込んだ。ザデンとの遭遇の記憶が押し寄せてきた。
彼女は一体何を考えていたのだろう?彼のような人が自分と一緒になりたいと思うはずがない。
彼女は誰でもない存在だった。
単に空想をしていただけだった。
「大変な夜を過ごしたようだね?」
彼女は驚いて目を開けると、本を読んでいるローレンが見えた。
部屋に入ったときには気づかなかった。
「あ、あなたがいるなんて知りませんでした」彼女は言葉を詰まらせた。
彼は笑った。「他にどこにいるというんだ?私は年寄りの働き者で、ハローフェスティバルの間外出する必要のない身だよ」
彼女は弱々しく微笑み、ドアから離れた。
彼女が乙女だったという事実を知っていたとしても、それには触れなかった。
ローレンのことだから、何を知っているかわからない。
彼女がその夜どこにいたかも聞かなかった。
ただ本を読み続けた。
「ちょうど良かった」彼は言った。「この薬を女王様に届けてほしい」
彼は女王の病のための薬の瓶を見せた。
ジャスミンが最後にしたくないのは、女王、不貞を働く王、そして王と不貞を働く女性である彼女の姉妹の間に巻き込まれることだった。
ベル姫や彼女の母キャロルに会いたくもなかった。
その家族全員が彼女を嫌っていた。
女王を除いて。
「で、でもローレン、私が行って渡すべきではないと思います」ジャスミンは言った。
「ばかな!」彼は言った。「私には仕事がある。それに女王様は君の会社を好んでいるようだ。君は亡くなった彼女の娘や、コーラル姫が赤い巻き毛のままだったらそっくりだ」
それから彼は振り返って言った。「ほら、君が正しかったよ。リルンが実際に育っている」
彼女は息を呑み、彼が指さした小さな植木鉢を見た。
池の中から採取したリルン草に、今や小さな葉が一枚余分に生えていた。