トントントン――
足音と共に、一団の人々が上階へと上がってきた。二階の構造は、階段が端にあり、階段を囲むように各部屋のドアが存在している。壁には銃弾孔も見受けられた。銃弾孔を通して、韓瀟は彼らの頭上に浮かぶIDを見た。
「あいにくだ、プレイヤーの一団だよ。」
彼は模擬マスクを被っている。だから、プレイヤーたちは彼の真の身元を探ることはできない。少なくとも、彼の属性が一連の疑問符であることは見えるだろう、すぐに警戒心を抱くだろう。
この一団の萌芽のプレイヤーが近づくと、会話の声も聞こえてきた。
「お前の貢献度はどれくらいだ?」
「127だ。」
「俺は95だ。難民を殺しても貢献度がもらえなくて、めんどくさい。」
六カ国と萌芽のプレイヤーはどちらも戦場のミッションを受け取っていた。敵対陣営のキャラクターやプレイヤーを倒すと貢献度が得られる。本来ならば、この時点で陣営間の戦場が開始されるべきではなかった。しかし、韓瀟がストーリーを変動させた結果、プレイヤーたちは低レベルの時点で互いに戦い始め、彼らはただヘンチマンを倒すしかなく、戦争への影響力は最小限に抑えられていた。
バン、ドアが蹴り開けられ、先ほど話していた二人のプレイヤーが入ってきた。一目で部屋を見回し、角に立っている韓瀟を見つけた。
「くそ、また难民か。」片方のプレイヤーは言葉を二つ返さずに銃を挙げて韓瀟を撃とうとした。彼の態度はまるで蟻を扱うようなものだった。
サー―
数枚の剣が地面をかすめて飛び出し、一閃の寒光と化し、二人の首をすっと巡り、生の血が表出するとともに、二人のプレイヤーは白光になって消え、即座に倒された。この一連の攻撃は約10から20レベルのプレイヤーたちに対して行われ、彼らの血量はおおよそ300。パープル磁束分裂刃のダメージ範囲は45~112で攻撃速度は非常に高い。さらに、韓瀟の60レベルのスキルと専門技能、そして100%以上の機械親和力、また知性が機械使用に対するボーナスを持っており、彼が出すダメージは機械の属性スペックのおよそ三倍。敵の抵抗力による減損を計算に入れても、このレベルのプレイヤーを一撃で倒すのは容易である。