砲の生産も着実に進んでおり、2つ目の砲弾の原型が膨張工程に入り、3門目の砲はまだ資材の集積にあった。
運が良ければ、1ヶ月後には十二ポンド砲を4台持つという壮麗な布陣を手に入れることができる。火力の優位性は疑う余地がないが、その優位性を如何に勝利に転化するか、これはローランが常に考えている問題だ。
彼は異世界に行く前にはただの機械オタクであり、大半の人々と同じく、戦争についての理解は歴史、映画、ゲームから得たものだ。もし徹底的に冷戦兵器の戦争であれば、彼は率先してその指揮をカーターやアイアンアックスに委ねるだろう。しかし、この戦闘はそれとは違う。自分より火器の戦闘法について詳しい人はいない。
そこで、彼は自分が知っている知識を全て合わせ、この時代より高い視点で一歩一歩のプランを立てるしかなかった。
勝利を確実にするため、ローランはライトニングに要塞と辺境の町の間を毎日往復させ、道路の状況を観察し、距離を正確に計算させるようにした。ローランは、戦争の勝利は大量の探査と計算に基づいていると信じている。戦術の策定や戦局の推測の設定、どちらにも欠かせないのがこれら二つの要素だ。
彼は前回の鋳砲時に設定した寸法を用いて、一メートルの鉄棒と百メートルの麻繩を作り、それから辺境の町の西側にある火砲試射場で、麻繩と木杭の投影に基づいて飛行跑道として約一千メートルの長さを引き出した。そしてライトニングには、魔力の消耗を制御し、絶えずこの一千メートルの距離を一定の速度で往復するように訓練させた。
彼女がその力の出力を熟知したら、ローランは要塞と小さな町の間の距離を測定し始める。日時計による往復の所要時間から、二つの場所の距離が約54キロメートルであることを計算した。
もちろん、これは直線距離であり、実際の陸路では、果ての山脈が広がる麓を避けるために二つの大きなカーブを描く必要がある。どう考えても、公爵が陸路で進軍する場合、少なくとも辺境の町に到着するまでに三日間は必要だろう。
ライトニングが偵察員としている場合、ローランは敵の位置と採るべき行動をはっきりと把握することができる。