総本部基地群は無言の黒い山脈のように、死の静けさに包まれている。野外には放棄された無人の載具があふれ、燃料と硝煙が混ざり合った刺激的な匂いが漂っている。建物一つ一つの窓からは、彷徨いと困惑を抱いた無数の目が覗いている。残されたすべての戦士たちは建物の中に身を隠し、絶望的な雰囲気が漂っている。
地平線の先に六カ国の包囲部隊は見えないが、誰もが知っている。数えきれない程のミサイルが既に総本部基地群をロックオンし、頭上に落ちて来るのは時間の問題、そして全てを焼き尽くす火花となり、全てをピュリファイするだろう。
未来の運命がどうなるか、誰も知らない。
全ては、最後の決断を下す萌芽にかかっている。投降すると、微かな希望が生まれるかもしれない。
結局、すべての人が死を恐れないわけではない。
地下本部制御室、画面には現在の状況が映し出されている。青色に代表される萌芽は孤独な本部だけが残り、六カ国の赤色は大陸の他の場所に広がっており、行く先がない。
マスクをかぶったリーダーは前方に立ち、黙って画面を見つめている。その背後では、上層部全員がこっそりと互いに目つきを交換している。誰も口を開かず、沈黙が不気味だ。
「あなたはどうするつもりですか」と一人の上層部が躊躇しながら言った。
リーダーは目を閉じ、皆が心焦がすのを待たせ、それからしわがれた声で言った。「全ての核爆弾を発射する」
全ての上層部が震撼し、一人の有力な禿頭の上層部が我慢できずに言った。「六カ国はもう私たちをロックオンしている。自分たちを滅ぼすしかない状況にはない。これは自殺行為だ!」
「ほう、あなたは六カ国に慈悲を乞うつもりか?」リーダーの声は冷静だ。「萌芽が何のために作られたか、忘れてはならない。敗北などない、ただ死に至るだけだ」
上層部たちは皆、六カ国を痛恨する国を滅ぼされた者たちだが、死の前に揺るがない者は皆ではない。彼らの目から見れば、無駄死にはただの徒労に過ぎない。たとえ、六カ国の投降後の安全保障が信じられないとしても、何も希望がないよりは一縷の可能性がある方がよい。
「私は反対だ」と禿頭の上層部が立って反対の声を上げた。
リーダーは身を回し、陰鬱な目つきで一つ一つの顔をなぞり、「あなた、それとも、あなたたち?」と静かに言った。