拠点の重機関銃と榴弾砲は即座に銃口を向け直し、急速に接近するイバラに向けて砲撃を開始した。
ゴートンはその様子を見て、イバラが味方であることを即座に理解し、叫んだ。「側面の車両隊、あの不速の客のために道を開けろ!」
ゴートンの車両隊は陣形を変え、側面にローズ武装拠点の正門へ直行できる通路を作り、イバラが通過しやすいようにした。
イバラには現在、韓瀟一人しか乗っていなかった。数時間前にゴーストフォックス小隊を倒した後、フェリアン拠点に戻ってイバラを修理し、今回は単独で出撃した。ソマリ砂漠の他勢力はローズ武装の戦力が手薄な機会を見逃すはずがなく、その情報は彼がゴートンに流したもので、自身が混乱に乗じて行動しやすくするためだった。
イバラの榴弾砲、重機関銃、小型ミサイル発射装置は、すべて計器盤横の照準器で操作する必要があり、手動照準が必要なことから、火器管制システムが搭載されていないことは明らかだった。
飛来する砲弾は多く、避けられるものは避け、避けられないものは外部装甲で耐える。韓瀟は拠点の壁上の砲台を狙い、発砲した。車体が大きく震動し、数発の小型ミサイルと榴弾が白煙を引きながら拠点の壁に命中し、まばゆい炎を上げた。
砲台は無数の破片となって宙を舞った。
拠点内で、ローチンは顔を青ざめさせ、拠点を守り切れないという予感がして、スーリを呼び寄せ、小声で命じた。「五人を連れて、私たちは秘密通路から撤退する。拠点は放棄だ。」
スーリは頷き、異議を唱えなかった。
拠点に残る傭兵たちは捨て駒だった。数人は声を上げることなく、密道から静かに撤退した。彼女たちが生き残りさえすれば、これらの傭兵はいくらでも補充できる。後ろ盾のゴールドオーナーが新しい人員を送ってくるだろう。
外敵と戦っている傭兵たちは、自分たちが見捨てられたことも知らず、真面目に砲台を操作してゴートンの車両隊とイバラを迎え撃っていた。砲声が耳を埋め尽くし、硝煙と炎が視界を覆い、仲間の叫び声さえ聞こえない。各々が潮流の下の岩礁のように孤軍奮闘していた。
「ドーン!」
十数発の榴弾ロケット弾が一斉に発射され、傷だらけの金属の大扉はついに耐えきれず、吹き飛ばされ、入口が大きく開いた!
「突入だ!」ゴートンは大喜びした。