ヤンディエンとニードは落ち込んでいた。彼らが救援に向かった探検隊はルイス研究所の人員で、依頼主もルイス研究所だった。韓瀟が去った後、二人は休息を取り、慎重に探索を続け、ついに探検隊が消息を絶った小さい山谷で目標を発見した。
しかし探検隊の全員がデッド化ウイルスに感染し、変異を起こしていた。全身から骨の棘が突き出し、狂った野獣と化していて、もはや救いようがなかった。
探検隊の隊長は辛うじて意識を保っており、二人に金属箱を手渡し、これはデッド化ウイルスの解決策を研究するための重要な材料だと告げ、研究所に持ち帰るよう依頼した。
二人は既に手の施しようのない探検隊を泣く泣く見捨て、箱を持って禁止区域を離れた。途中、獣群に襲われる事態に遭遇し、金属箱を守るため、体を張って箱を保護し、最後は幸運にも逃げ出すことができたが、全身傷だらけだった。幸い箱は無事だった。
疲れ切った体を引きずりながら、飛行機を乗り継いでカンロスに戻り、ヤンディエンとニードは申し訳ない気持ちで研究所を訪れた。探検隊を救えなかったことが心に重くのしかかり、研究所側から責められる覚悟はできていた。依頼主の信頼を裏切ってしまったと感じていた。
上層部の人間らしい眼鏡をかけた男がエレベーターから出てきて、ヤンディエンたちに向かって早足で近づいてきた。顔には期待の色が浮かんでいた。
「お二人の英雄、お帰りなさい」彼は熱心な口調で言った。
ニードは申し訳なさそうに「ロケットさん、申し訳ありません。私たちはミッションを完遂できませんでした」
眼鏡の男ロケットは表情を変え「まさか全員が犠牲に?」
「申し訳ありません。彼らはウイルスに感染してしまい、私たちには何もできませんでした」ヤンディエンはロケットの悲しみに満ちた表情を直視できなかった。
「あなたがたのせいではありません...」ロケットは眼鏡を外し、目を拭った。この仕草にヤンディエンとニードは胸が痛んだ。ニードは金属箱を取り出し、「これは探検隊が必ず皆様にお渡しするようにと言っていた遺品です。中にはデッド化ウイルスの根源を解決できる重要な材料が入っています!」