「救助信号は送信できたのか?!」
主制御室で、艦長は汗を流しながら焦っていた。隣の操作員は顔色を変えていた。
「通信が妨害されています。すべての信号が遮断されています。」
「まさか、短角星の通信システムは星系級の文明から購入した高級品なのに、このスカベンジャーたちがこんな高度な遮断装置を持っているとは?!」
艦長は怒りと驚きの表情を浮かべた。星間広域通信は汎用性と技術の多様性を持つため、通信を遮断する装置は非常に高価だった。さらに敵はワープを制限する空間撹乱の「アンチジャンプ」装置も持っていた。艦長は絶望的だった。
このスカベンジャーたちのビジネス能力は高すぎるのではないか?!
短角星号は逃げることも、救助を求めることもできず、スカベンジャーに捕まっていた。宇宙船自体のシールドと装甲で短時間は持ちこたえられるが、逃げる希望もまだある。この高エネルギー反応がゴドラが宇宙間に配置した探知器に捕捉され、防衛軍が自ら助けに来るかもしれない。
繁栄した星区では、支配文明が管轄内の星空の治安を維持し、探知器は非常に敏感で、一部の探知器の位置は固定されており、人工知能がリアルタイムで監視している。警戒区域のようなもので、範囲は広大だ。短角星号のような状況が発生した場合、探知器に向かって進むことで間接的に警報を発することができる。一般的に、探知器の信号強度は軍事レベルで、遮断を突破できる可能性が高く、または警戒範囲が遮断範囲より大きい。
現在、短角星号は最も近い探知器に向かって飛行していた。ワープはできず、通常飛行のみ。全速力で進めば、20分から25分で警戒区域に到達できる。スカベンジャーの宇宙船は小型で機動性が高く、妨害力は強いが、攻撃力は平均的で、シールドはこの時間持ちこたえられるはずだ。
しかし、乗船してきた敵が目前の大きな危機だった。船内のボディーガードは次々と敗退し、敵の目標は間違いなく主制御室だった。
一旦主制御室が制圧されれば、短角星号は陥落したも同然で、逃げ出すのは夢物語になってしまう。