磁気制御鎧が待機状態に入り、韓瀟はいつでも戦闘や逃走の準備ができていた。
しかし、その巨大な目を持つ存在は、ただドアの方向を見つめるだけで、まるで韓瀟が見えていないかのように、その場に立ち尽くしていた。
「光に弱い視覚か?」
韓瀟は心の中で喜んだ。懐中電灯を使わなかったのは幸いだった。さもなければ、巡礼者たちと同じ運命を辿っていただろう。
このモンスターは三メートル以上の高さがあり、かろうじて人型と分かる体格で、全身が巨大な筋肉の塊で覆われ、層状に重なり合って小山のようだった。しかし、力強さの美しさは全くなく、まるで膨張した肉の山のようで、吐き気を催すだけだった。筋肉は腐敗し、所々に穴が開き、白く太った蛆虫が腐肉の中をのんびりと這い回っていた。巨大な体格に比べて、頭部と首は極端に小さく、皮膚は膨張した筋肉に引っ張られ、五官は極めて不調和で、見るものに強い衝撃を与え、思わず「畸形」「グロテスク」「太陽のナイト」といった言葉を連想させた。
韓瀟は室内のレイアウトを一瞥した。中には医療機器が並び、用途不明の実験用カプセルが四つあった。二つは押しつぶされ、一つは開いており、もう一つは閉じていた。
実験用カプセルには液体を送る導管が接続され、隣の透明な容器につながっていた。容器の中には乾いた蛍光の痕跡だけが残っていた。
彼は慎重に後退し、モンスターが動かないのを確認すると安堵の息を吐き、廊下を進み続けた。すぐに二番目、三番目のメタルドアに遭遇したが、いずれも錆びついた昇降式の合金の扉で封鎖されており、ドア脇のカードリーダーはほぼ完全に錆びて鉄くずと化し、完全に使用不能だった。
韓瀟はあきらめなかった。彼は苦労してカードリーダーを分解し、モデルを確認しようとした。
うーん...よく分からない。
でもそれは重要ではない!
「これは数十年前の秘密軍事基地のはずだが、何らかの理由で放棄された。生化学実験を行っていたようだが、失敗したのか...あるいは成功したのか?あの筋肉の塊は明らかに正常な生物には見えないが...待てよ、この廊下は長すぎないか?この基地は一体どれほど大きいんだ?」