ホストルームは本部のコアエリアに位置し、大量の機密情報を保管していた。サイバルスは権限を持っており、あっさりと防御システムを解除し、韓瀟をホストルームへと案内した。
大型ハードディスクが本棚のように整然と並び、様々な指示灯が絶え間なく点滅していた。ホストルームの奥には、モニターと操作席があり、ここの設備は星龍13局の地下主機よりも簡素な印象だった。
サイバルスはメインホストを起動し、おとなしく数十桁のパスワードを入力し、指紋と虹彩認証を行った。実は、ここには隠された警報システムがあり、特定のパスワードを入力することで秘密警報が発動する仕組みになっていた。これは上層部が脅迫される事態に備えたものだが、サイバルスは自身の安全のため、そんな真似はする気がなかった。
彼は韓瀟に捕まる前に簡単に殺されると確信していたため、リスクを冒したくなかったのだ。
そのため、この警報システムは形骸化していた。
言わざるを得ないが、サイバルスは実験をする時は極めて大胆で、無法者そのものだったが、自分の命が関わると途端に小心者に変わった。
「何を見たい?」
「本部の全体マップだ」と韓瀟は言った。
サイバルスが操作すると、画面に本部の構造図が表示された。
韓瀟は装備パックからクサリサゲ.改のヘルメットを取り出し、マップを撮影してチップのデータベースに記録し、3Dマップモデルを自動構築した。その間、彼も素早くマップを記憶し、すぐにオーロラが監禁されている場所を見つけた。
先ほど話題に上がった運命の子のことを思い出し、韓瀟は実際の状況を確認したい気持ちになったが、サイバルスによるとリーダーしか運命の子の部屋を開く権限を持っていないと聞き、諦めざるを得なかった。
「極秘情報データベースを開け」
サイバルスは言われた通りにし、次々と機密情報が韓瀟の目の前に余すところなく展開され、萌芽の切り札が全て明らかになった。
彼が萌芽本部に来たもう一つの目的は、まさにこれらの情報を得るためだった。ストーリーは彼によって変更されており、萌芽には彼の知らない新しい秘密があるはずだった。さらに、前世では彼はただのプレイヤーだったため、情報が完全ではなく、各実験のパラメータや各プランの実際の展開などは把握していなかった。