第三避難所の建設は既に二十日目に突入していた。
灰鉄廃墟となった西部地区と北区を改造し、一時的な避難所区画として設定。初期の構想は一応完成し、城壁によって都市を守り、エネルギー工場、住所、電力ネット、内部生命維持システム、全てが基本的なモジュールとなり、作動させることが可能になっていた。
韓瀟(ハンショウ)の【第三避難所】メインストーリーの三か月目標における、全部で13項目の要求事項のうち、未だ3つだけが残っていた。
1か月まであと十日しか残っていない、その期間で必ずやり遂げるだろう。
こうなると、目標達成まで60日早まることになり、報酬はその倍数だけ、つまり6倍になる。
経験値は多ければ多いほど良い、多過ぎることは無い、韓瀟は口元に浮かんだ肥沃な成果を逃すことはしない。
1か月で完成させるのはあくまで初期段階で、全体の【第三避難所】メインストーリーの要求として、避難所を完全体として確立するためには、まだまだ長い道のりが待っている。
進行が順調に進めば、建設の問題はあまり気にしなくてもいい……だが、韓匠としての彼も特に興味はなかった。
フォンが手伝っていてくれるので、韓瀟は楽をしていた。
功績を立てるために、フォンは非常に熱心に働き、毎日それこそ胆汁が出るほど忙しく、自分の活躍を際立たせるよう努力していた。時が来て内部で功績が評価される時、彼の功績はきっと大きいに違いない。
ベネットが派遣した助手は、確かに一部分の能力を持っていた。今までのところ、韓瀟はフォンの業務効率にかなり満足しており、全ての業務をきちんと整理していた。
ただ一つ残念なことは、フォンが大男だということで、何の楽しみもなかったことだ。
言葉によれば、仕事があれば秘書がやり、仕事が無ければ秘書と遊べ、といった、数十年に渡り都会で囁かれ続けてきた噂話で、韓瀟はその噂話を耳にしたことはあっても、実際に体験したことはなかった。