こんな力があれば、南の街に戻る必要などまったくない。
なぜなら、一人の宗師がどこに行っても、その地で地位を得られるからだ。
大在家から援助を受けるか、海外の勢力で一部首領として暮らすか、あるいはある地に君臨するかもしれない。
これには陸树铭は絶望した。彼は無意識にシンギョクを見つめ、目には恳入の祈りが浮かんでいた。
「もし、あなたがこの困難を乗り越えてくれるなら、私はルー家の株の20%をあねたいと思います。」陸树铭は歯を食いしばって言った。
シンギョクは笑って「本当に?」と言った。
「千真万確!」陸树铭は慌てて言った。
命と比べれば、お金など大した問題ではない。
シンギョクは頷き、「よろしい、約束します」と言った。
少し離れたところで、ナイフスカーフェイスは冷笑して言った。「私が宗師であると知りながらも、まだ挑む気か?
シンギョクは笑って言った。「仕方がない、陸総からの報酬があまりにも高額で、断るのが難しいんだ。」
「もちろん...私も宗師の実力をちょっと見てみたいんだ。」シンギョクは軽く言った。
「いい、それなら私も遠慮しない!」ナイフスカーフェイスは怒鳴った。その体からは驚くべきことに、一筋に光が放たれた!
その光はナイフスカーフェイスを包み込み、初めて柳世辉と比較しても、その手段は何倍も優れている!
シンギョクは冷笑し、前へ一歩踏み出し、自らナイフスカーフェイスに向かって突進した!
「バン!」
シンギョクの拳が、しっかりとナイフスカーフェイスの体に落ちた!
しかし驚くべきことに、その拳があたったにもかかわらず、ナイフスカーフェイスはまったく反応を示さなかった!
「ハハハ!」ナイフスカーフェイスは大笑いした。
「その程度の力で大言壮語を吐くのか?」ナイフスカーフェイスは冷たく言った。
シンギョクは自分の拳を見つめ、低くつぶやいた。「この宗師、本当に特別だ......でも、それがすべてだろう。」
宗師といわれても、シンギョクには何の感慨もない。
何せ、大宗師でさえも、彼は燕江と手を合わせたことがあるのだから。
先ほどのその一撃は、単にシンギョクが試しに出したものに過ぎない。