「森兄、見て、僕のマウントかっこいいでしょ?」スーシャオチャオは変異血蹄獣に乗って、神射組の中庭を行ったり来たりし、時々他の神射組のメンバーに自慢していた。
変異血蹄獣は何となくガゼルに似ているが、頭には大きな水牛の角があり、体格は成獣のラクダに匹敵する。全身がサテンのように黒く、四肢の蹄は鮮やかな赤色で血のように見え、まさに神々しい姿だ。
ハンセンは内心で苦々しく思い、これだけ頑張ってやんちゃな子供に変異種のモンモドを一つ勝ち取ってあげたにもかかわらず、自分は何も手に入れられなかった。
ハンセンも変異種のモンモドを一つ持っているが、それは水中だけで使えるものだし、日常生活で役立つわけじゃない。
「武道大会が終わったら、マウンテッド・ビースト・ソウルを狩りにでも行かないと。いつまでも自分の足で移動するわけにもいかないし、それにカッコ悪いし。」ハンセンはそんなことを心の中で思っていた。
闇の沼地はダメだ。そこでモンモドを得たとしても、大きなあひるみたいなものしか得られない。それに乗ってる姿なんて、見苦しすぎる。
「ハンセン、私のオフィスに来て。」二階から楊マンリが無表情でハンセンに呼びかけた。
「森兄、また組長を怒らせたの?」とスーシャオチャオが走ってきて、わざと笑いながら聞いた。
「わざわざ彼女を怒らせる理由なんてないよ。」ハンセンは鼻をつまんで答えた。
「でも、組長が君を見る目は恨みっぽいんだよ。気をつけた方がいいよ。」とスーシャオチャオはにっこりと笑った。
「それもできるの? 天井橋で占いでもやったらいいのに、もったいない。」ハンセンは笑いながら冗談を言い、二階の楊マンリのオフィスに上がった。
「杨グループリーダー、何か用ですか?」ハンセンは楊マンリに尋ねた。
「チン隊長が何故あなたを中小規模チームに入れたのか、私はよくわかりません。だけど、チン隊長から入学試験の準備の指導を頼まれた以上、全てを尽くしてあなたを訓練します。今日から、毎日転送駅に来てレポートを提出してください。あなたの訓練は厳しくなりますので、心の準備をしてください。黒鷹軍学校は、ただ入学するだけの学校ではありません。これから、とても大変になるでしょう。」