章 312: 第201章 黒幕_2

北原秀次は視線を戻し、説明する気も失せた。そもそも今すぐには説明できないし、永寿三福に向かってゆっくりと首を振り、撤回できないことを示した。たとえ撤回できたとしても、手助けする気はなかった。永寿三福は彼の冷たい表情を見て、顔が死灰色になっていった——なんと冷酷な少年だ。とぼけようとして失敗し、ついに冷たい本性を見せた。こんな些細な対立のために自分の未来を断ち切り、仕事を台無しにするとは！

彼は力なく地面に座り込み、呟いた。「私は二十年も頑張ってきたのに、こんな形で終わるのですか？妻も子供もいるんです。彼女たちも生きていかなければならない。北原さん、慈悲の心を持っていただけませんか？」彼は財布を取り出し、北原秀次に家族写真を見せた。確かに温かい普通の家庭に見えた。「娘はまだ大学を卒業していないんです。北原さん、どうか...どうかもう一度ご検討いただけませんか。私たちの間には深い恨みなどないはずです。」

最後は叫ぶような声になり、財布を持つ手は震え続け、声は非常に悲痛だった。

鈴木希は近寄って注意深く見つめ、同情の色を浮かべながら、北原秀次の側に寄って小声で言った。「秀次、かわいそうじゃない？今回だけ許してあげたら？謝罪の気持ちも誠実そうだし。」

北原秀次は眉をひそめて彼女を見つめ、後頭部を平手打ちしてやりたい衝動に駆られた。この意地悪な妖精め、自分に責任を押し付けておいて、さらに善人面をする——しかし手を出す勇気はなかった。もし彼女の頭が取れでもしたら大変なことになる。この女は紙細工のように脆いのだから。

しかし、彼も永寿三福のために口を開いて助けを求める気はなかった。道理はそういうものではない。

両者は競争関係にあり、確かに自分たちの商売が永寿三福の商売に影響を与えていた。しかし、それは相手が不正な手段を使う理由にはならない——もし自分がいなければ、相手のグループの優位性で、おそらく二ヶ月前には福沢家の小さな店は潰れていただろう。そして福沢家の店が相手の財力や規模の優位性で潰されるのは当然のことなのか？