秦玉の言葉には、明らかにいくぶんの不悦とさえも心ここにあらずの感情が漂っていた。
秦玉が方悦の権利と理解していても、心の底で何とも言えない気持ちが渦巻いている。
「秦兄、やきもちをやいているようですね。」方悦は冗談を言った。
秦玉は手を広げ「それはあなた自身の権利。贺腾はどう考えても私と比べるべくもない、潜力ランキングのトップだから。」と述べた。
方悦は口元を押さえて軽く笑ってしまった。
「それでは、冗談はさておき。この招待状は私が贺腾に渡したものではなく、贺腾が私に渡したものだということをお伝えします。」と方悦は語った。
「贺腾は家柄が良く、背後には高位な師匠がいる。インドに関しては、私以上に詳しいと思う。」
「私を訪ねた理由も、ただ助けを求めただけだろう。」
そして方悦は、少しおどけて言った。「私の心の中には、シン先生だけがいるのですよ。」
秦玉は方悦を疑わしげに眺めていたが、突然何かを思いついたようだった。
「贺腾があなたを見つけてきたということは...つまり、この明心島には彼が欲しいものがあるってことか?」秦玉の声は、些か焦燥感が漂っていた。
方悦は頷き、「そうとも言えます。具体的に何かは私にもわかりません。しかし、彼がわざわざ私を見つけてきたということは、おそらく妖獣の内丹が関係していると思います。」と返答した。
「妖獣の内丹...」
その言葉が、秦玉の頭の中で瞬く間に留まった。
妖獣の内丹についての多くの噂が飛び交っていた。
方悦が贈ったような内丹だけでなく、数え切れない種類の内丹が最も純粋な霊気を秘めている!
その効果は、人間の修士たちが金丹期に匹敵する!
このような内丹は出会うこと自体が奇跡で、その貴重さは万年霊薬と同等である!
「方小姐、何とかして私をこの豪華クルーズに参加させる方法はありませんか?」秦玉は必死に尋ねた。
方悦は頭を振り「シン兄、申し訳ありませんが、力になることはできません。豪華クルーズに参加するためにはぜひとも招待状が必要なのです。」と答えた。
秦玉は一息ついて沈黙し、その目には突然何か冷酷な光が揺れ動いた。