「序列8:『教唆者』。人間の心に潜む邪悪な欲望を導き、対立や衝突を煽り、血塗られた事件を引き起こすことを得意とする……」
簡単な説明しかない。どうやら夜を統べる者は、このポーションの能力についてはあまり詳しくないようだ……だがウマゴヤシ号惨殺事件の特徴とは確かに合致している……クラインは視線を上に移し、「教唆者」の属する序列9を見た。
「序列9:『刺客』。短時間で体を変化させ、羽のように軽やかになり、さらに鷹の視力と闇夜の視覚を獲得する。『刺客』はいずれも影に身を隠すことを得意とし、俊敏なフットワークとすべての力を一撃に込める能力を有する……」
説明を読んだクラインはまたしても困惑した。
「刺客」……「刺客」の進化系が「教唆者」なのか?
「占い師」の進化系がテクニカルな格闘を得意とする職業であるのと同じくらい奇妙だ……
「観衆」のように段階的に進化していく正常なものもあるが、序列経路によってはなぜか直感や論理に反しているものがある。
もしかすると、単に何らかの共通点を見落としているだけかもしれない……
例えば、例えばだが、「刺客」と「教唆者」はいずれも他人に災いをもたらすとか……
ただ「占い師」の進化は、どう考えても納得がいかない!まさかガンダルフじいさんと同じ系統か?補助的な魔法を加えたら、ほかのスキルポイントが力やテクニックに全振りされるとか……
クラインは心の中で突っ込みながら、黙って首を横に振り、資料の「教唆者」に関連する秘密組織「霊知会」の部分をめくった。
「霊知会は、第五紀元、つまり本紀元初期にようやく現れた秘密組織である。霊知会の考えでは、精神が人間の本質であり、肉体はただ精神を束縛する檻にすぎない。人間が悪となるのは、肉体の影響であり、霊性によって知識を獲得することで、徐々に精神を肉体から解き放ち、星の度重なる試練を経て、最終的に物質世界から脱却し、最も純粋で真実な自己へと回帰し、永久の救済を得なければならない。」