シンギョクの目には、一筋の悪戯っぽい光が瞬いた。
内心では、ひとつの計画が浮かんでいた。
目の前では、司会者が偽の山を一生懸命売り込んでいた。
シンギョクの目も、その偽山に熱心に注がれていた。
「どうした、君もこの偽山に興味があるのか?」顔の老爺子が尋ねた。
シンギョクは顔の老爺子を見て、言った。「これはただの偽山ではない」
「ほんとうに?」顔の老爺子は眉を挙げ、シンギョクに話を続けるように仕向けた。
シンギョクは目を細めて言った。「もし私の推測が間違っていなければ、これはおそらく法器だ」
しかも、相当な法器。
つまり、司会者がさっき言っていたことは、何の冗談でもなかった。
「開始価格、一億円!」司会者が大声で叫んだ。
そんな高額な価格に、かなりの人数が引き下がった。
しかし、ここは何と言っても海城だ、金持ちは数えきれないほどいる。
一億円で運を呼び寄せることができれば、富豪たちにとって、それは価値があるものだ。
価格はどんどん高騰し、瞬く間に一億円から十億円になった。
多くの人がくじけ、十億円は誰にとっても大金だ。
「十一億円。」シンギョクが手を挙げて叫んだ。
一同の視線がすぐにシンギョクに向けられた。
この若い顔について、皆はなんとなく見覚えがないようだった。
「二十億円。」その時、ずんぐりとした富豪が手を上げた。
人々は思わず息をのんだ。
突然に二十億円?
シンギョクも眉を微かにほころばせる。
二十億円、シンギョクには手に入れることができない。
しかし、この偽山は…法器であり、そしてただの法器ではない!
実力の向上には、自己の境界だけでなく、外部の武器も同様に重要だ。
そして、適合する法器は、実力を一段階上げることができる!
「あなた、この偽山が欲しいの?」顔の老爺子が尋ねた。
シンギョクは説明した。「私の目が間違っていなければ、これは恐らく地階高品法器だ」
地階高品法器!
天階には、つまり一歩しか違いはない!
そして、天階はすでに長い間現れておらず、一つの地階高品法器が全国を驚かせる!
「どうした、もう値段を上げないのか?」前列の、太った男が冷静に言った。