シンギョクの言葉があれば、杨老も安心した。
しかし、実際には、この時点でのシンギョクの心の底には全力を傾ける自信はまだない。
昨夜から今まで、シンギョクの力は最大で三成しか回復していない。
霊気の支えがなければ、シンギョクの錬丹術が急に落ち込むことになる。
「問題ないだろう。」シンギョクはステージ上の人々を見つめながらつぶやいた。
時は急速に流れ、選抜は次々と行われた。
そして、周通の弟子はずっと現場にいて、その度に圧倒的な力で次へと進んでいった。
約半日の時間が経過して、選抜はようやく終了した。
周通の弟子以外に、最終的に選ばれたのは三人の選手だった。
シンギョクを含むと、合わせて5人が選抜に臨むことになった。
昼に休憩があったので、シンギョクと杨老は適当な場所を見つけてランチをとった。
一方、周通は他の審査員たちや弟子と一緒にレストランに座っていた。
「ロ・ジエン、早く来て座って」と周通は弟子に手を振った。
ロ・ジエンと呼ばれた若者はあわててブースに入り、彼は丁寧に挨拶をした。「審査員の皆様、お会いできて光栄です」
「ほほう、ロ・ジエン、そんなに遠慮しなくてもいいよ」
「そうだよ、あなたの手腕は本当に驚きを持って見せたよ」
「素晴らしい、その手腕、師父である周通にまったく引けを取らない!」
周通自身が自慢げに言った。「実は、ロ・ジエンはもうとっくに青出于藍而勝于藍になっている」
ロ・ジエンは静かに座っていたが、その顔には自慢の色が浮かんでいた。
食事を終えた後、審査員たちは先に去った。
一方、周通はロ・ジエンを引っ張って声を落として言った。「ロ・ジエン、シンギョクという者に特に注意せよ。この人間は単純な者ではない。」
しかし、ロ・ジエンは何も気にしない様子で言った。「彼のことは知ってる。ただの武士であり、滅相も無く、彼に勝つには一息も必要ない!」
周通はしかし、重々しく言った。「ロ・ジエン、お前の力を信じている。しかし、このシンギョクは単純な者ではない。必ず全力を尽くすこと。分かったか?師匠もこっそりと助けるぞ。」