韓瀟は当然ここに留まりたくなかった。この時、主制御室のオペレーターが喜びの声を上げた。「私たちは【デーモンアイ】モデルのエネルギー探知器の探査範囲に入りました。データベースによると、この区域には常駐のゴドラ警備隊がいます。最大でも20分で、警備隊が到着するはずです。」
艦長は大喜びし、ほっと息をつくと、すぐにこの朗報を放送で乗客に伝え、安心させた。
状況を見た韓瀟は、チェルローデに二、三の指示を出し、一人で支援に向かった。
……
シソリは慌てふためき、一人でスペースシップに向かって逃げた。部下は全員ハオ・ティエンたちに捕まり、彼だけが状況を察知して真っ先に逃げ出したため、かろうじて捕まらずに済んだが、彼一人だけが助かった。
スカベンジャーが乗船した場所に到着すると、前方から戦闘音が聞こえてきた。シソリは急いで足を止め、警戒しながら遠くを見やると、残っていたスカベンジャーたちが超能者の一団と激戦を繰り広げているのが見えた。彼はこれらの人々を知っていた。全員がゴドラ人の仲間で、強力な「アボリジニ」の集団だった。
この時、戦況は膠着状態で、【観察者】の頭領が残って部下を率い、寺院と皇朝のプレイヤーたちと戦いながら、スカベンジャーのスペースシップを守っていた。
観察者の頭領は念力師で、翼と鷹の頭を持つ鳥人の外見をしており、精神攻撃を得意としていた。現在のプレイヤーにとって最も厄介な敵で、精神抵抗力が低く、様々なスタン状態に陥りやすかった。彼一人でプレイヤーたちを足止めしていた。
シソリは急いで駆け寄り、叫んだ。「乗せてくれ!」
スカベンジャーたちは仲間と分かると、道を開けた。観察者の頭領は振り向いて彼を掴み、冷たく言った。「人質はどうした?」
「い、いなくなった。待ち伏せに遭ったんだ!」
観察者の頭領は激怒した。ゴドラ人を捕まえられず、今回の作戦は既に失敗していた。人質が最後の収穫だったが、それも失われ、この任務は無駄足になってしまった。さらに多くの手下を失い、ボーンレスバードのボスのヘビの三つ編みまで捕まってしまい、大損害だった。