韓瀟の狙撃銃の銃身が車窓から伸び、一発の高燃焼弾丸が旋回して膛を出て、ローズ武装のクロスカントリーカーを正確に命中し、炎が爆縮し、車を覆い尽くした。しかし、砂漠クロスカーは特別な高温耐性の処理が施されており、高燃焼弾丸の殺傷力は限定的だ。韓瀟は状況を見て、迅速にボート型貫通弾に切り替え、ローズ武装の車両の防弾ガラスを一発ごとに引き金を引き、雪花のようなひび割れを打ち出した。
「包囲しろ!」とゴーストフォックス小隊はすぐに方向を変え、二台の車が包囲に向かった。
「待ち伏せはどこにいるのだろう?」
山に虎がいることを知りつつ、敢えて虎山に向かう韓瀟は、自然と警戒心を高めていた。突如として磁気制御鎧で顔を覆い、遠くから眉間に飛んでくる狙撃弾を防いだ。彼が目を上げて見回すと、側面に新たな敵のクロスカントリーカーが出現し、後部座席には狙撃銃を持った見知らぬ敵がいた。先程のような精度の高い一発を高速で走行する車両から撃ったのであれば、30パーセントの確率でメカニックである可能性があり、60パーセントの確率でスナイパータイプのアサシンである可能性があり、残り10パーセントは運に任せている。
先ほどの一発はヤクサンが撃ったもので、効果がなかったことを確認すると少し驚き、低い声で言った。「ターゲットには特別な防御手段がある。異能力か機械かは確認できない」
恐らく待ち伏せはこれだけではないだろう。韓瀟は前席の背もたれを叩いて、「早く逃げろ。速度を落としてはいけない。予定の場所へ行け」と言った。
アントンノフは上手い操作でギアを入れてアクセルを踏み、車はドリフトしながら逃げる方向に逃げ出した。
突然、またひとつのクロスカントリーカーが彼らの逃亡方向から現れた。まるで長い間待っていたかのようだ。今回はヤクゴがロケットランチャーを持っており、一発砲撃してきた。
火箭弾が尾火を引きながら急速に接近した。
アントンノフの顔色が微妙に変わり、ハンドルを大きく切った。車は90度尾を振って横滑りし、火箭弾は車の尾部をこすって砂漠に当たった。
まるで耳が聾になるような墜落音、そして空一面が黄色い砂で覆われた。