翌日の朝、ミステリームーンが慌ててオフィスに駆け込み、顔にはクマが更に大きく広がっていた。
「なぜガラスの中が明るくなるの?その後私がどんなに能力を使ってもそれは全く反応しなかった……」と、ドアを開けた彼女は我慢できずに叫んだ。
「すぐにできましたか?」と、王子殿下は驚きつつ、ガチョウの羽ペンを置き、ミステリームーンの手からおもちゃを取った。「あなたが二、三日かかるものだと思っていました。」
ミステリームーンは体を曲げて下げ、顎をテーブルの端にかけて、まばたきしながら質問した。「光って何?」
「電灯だよ」と殿下は笑って言った、「あなたは空の雷鳴を解放したんだ。」
「雷……鳴?」彼女は思わず低く繰り返し、その後首を振った、「でも似ていない。光はオレンジ色で、さらに慎重に発光し続けています。雷のときは一瞬で消えるはずです。」
「雷電が電球のフィラメントに火をつけて、それが絶えず光を放射しているんだ。」王子がガラス球を取って2回転させていた、「理解できなくても大丈夫、次にはあなたに本物の電光を見せてあげます。」
ミステリームーンの眼が大きく見開かれ、相手の一挙一動をじっと見つめて、何も見逃さないように注意深く見ていた。彼が二つの銅線を近づけて、再びガラス球をねじりなおすと、「さあ、練習を続けてください。」と、彼女に言った。
「それだけ?」彼女が線枠を受け取り、大いに失望した。
「それが正しい」と王子が言いながら口を覆い、今度の練習でもカーテンを閉めておくようにと言った。
......
ミステリームーンが寝室に戻った時、リリーはベッドヘッドに座っかけて『自然科学の基礎理論』をめくっていた。
「今日はなぜこんなに早く起きたの?」と彼女は驚いて言った。「既に起きたなら、私の朝食を一つもって来てくれ。焼き卵とパンを、オートミールは要らない。」
「絶対に行かない。裏切り者に朝食なんて持って行かない。」とミステリームーンが鼻で笑って、厚いカーテンを閉じた。部屋の中は一瞬にして真っ暗になった。
「ちょっと、何をしようとしてるの?」とリリーが眉をひそめて言った。
「能力の訓練よ」彼女が床にお尻を下ろして言う、「カーテンを閉じて、光石をしまう、これは殿下からの指示よ」