一個の破元丹、しっかりとシンギョクの手の中で静かに横たわっている。
シンギョクの片方の手は黒焦げになっており、見るに耐えない。
「これが破元丹なのか?」と、皆はシンギョクの手の中の丹薬を見つめ、少し疑っている。
シンギョクは頷き、この丹薬を露店の主に渡した。
露店の主は、破元丹を手にとり、顔には少し好奇心を浮かべていた。
彼が今まで破元丹を見たことがなかったので、この丹薬が本物なのかどうかは確認できなかった。
「この薬師、この破元丹、本物なんですか?」と露店の主は薬神閣の薬師に向かって尋ねた。
その薬師の顔色は激しく変わり、拳を握りしめ続けていた。
自分がこの丹薬は破元丹だということは判明していた。
しかしもし認めてしまえば、この紫金紗衣を手に入れるチャンスが無くなってしまう!
薬師は周りの人々を一瞥し、彼らが自分の回答を待っていることを見た。
それで、彼は喉を澄ませて言った、「これは完全に破元丹ではない、皆さん、彼の言葉に騙されないでください」。
この発言で、全員が驚いた!
シンギョクも眉を細めて、薬師を冷たくにらみつけた。
「これが破元丹ではないなら、一体何なのだ?」とシンギョクは冷たい声で疑問を投げかけた。
薬師はにっと言った、「私が間違っていなければ、これは失敗した丹薬、つまり废丹だ。言い換えれば、あなたの丹薬作りが失敗したのだ」。
「でたらめを言うな!」とシンギョクは冷ややかに非難した。
「これが破元丹であるかどうか、あなた自身よく分かっているはずだ!薬神閣の薬師でありながら、自身の利益のために他人の信頼を利用し、でたらめを並べ立てている!」
「これが薬神閣なのか?あまりにも酷い!」
コメントの後、周囲の人々は一瞬で息を呑んだ!
シンギョクが公の場で薬神閣を侮辱している?まさか気が狂ったのだろうか?
その薬師はよりいっそう激怒して、「あなた自身、何を言っているのか分かっているのか!薬神閣など、あなたのような下級者が評価できるようなものではない!」と断言した。