ドラゴン長官は笑いながら言った。“君がコーチなんだから、もちろん一緒に参加するべきだよ。”
この言葉に、シンギョクの心は少し緊張したが、それ以上に興奮していた。
彼は京都に心から憧れている一方、少しばかり怖れも抱いていた。
彼はずっと京都に行ってみたいと思っていたが、きっかけがなかった。
今回、京都へ行く最良のチャンスかもしれない。
“何かあったのか?” ドラゴン長官が尋ねた。
シンギョクがまだ口を開かないうちに、隣にいた武叔が笑って言った。“顔小姐に会いに行く口実にしたいのではないか?”
シンギョクは頭をかきむしり、少し恥ずかしそうに言った。“そういうことになるかな。”
“哈哈哈!顔家大小姐が君に惚れているなんて噂は本当だったんだね。” ドラゴン長官も大爆笑した。
数言で、シンギョクは赤っ恥をかいた。
彼は慌てて立ち上がり、言った。“私は先に帰ります、もう遅いですから、早く休まなければ。”
“わかった、明日の午前8時、訓練場にきちんと来ることだよ。” ドラゴン長官が注意深く言った。
それから、シンギョクは武叔と一緒にこの場を去った。
家に帰った後、ベッドに横になったシンギョクは寝つけなかった。
目を閉じるとすぐに、脳裏にゲンジャクセツの姿が浮かんでしまった。
会う時、どんなシチュエーションになるのだろう?
堂々と顔家を訪れるのか?それともこっそり会うのか?
シンギョクの頭の中では無数の考えが駆け巡り、その複雑な感情を抱えて、ぼんやりと眠りについた。
次の日の早朝、シンギョクは早起きして、楚州戦区訓練場に向かう準備を始めた。
そして武叔はすでにジョギングから帰ってきていて、シンギョクを見て笑いながら言った。“起きた?何か食べて、出発しよう。”
シンギョクが驚いたのは、朝食がリトルフィッシュが作ったものだったことだ。
彼女は4杯の麺を作り、それはなかなか美味しかった。
楚州訓練場に向かう途中で、武叔が尋ねた。“シンギョク、訓練計画はちゃんと準備できてるか?”
シンギョクは手を軽くひっくり返し、「すでに準備してあります、この訓練プランは非常に完全で、わかりやすいです。」と言った。