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幸い、薬材が十分にあり、更に百草鼎と組み合わせれば、それほど時間はかからないはずだ。
百草鼎から次々と薬の香りが漂い、部屋全体がその香りに包まれていた。
叶晨は自分の修為も向上したように感じだす。
「百草鼎はやはり凡物ではない、何億も出して買っただけあって超お得だったな!」
その後同時に、大都アパート。
スンイは仕事を終えて直接家に帰ると、家には誰もいなかった。
三人で賑やかだった昔と比べて、今のアパートはあまりにも寂しい。
叶晨が昼間に夏若雪が夏母に迎えられたことを彼女に告げていたので、彼女もそれは理解していた。
しかし、なぜ叶晨も帰ってこないんだろう?
また外出したの?なぜ自分に一言も言わないの?
スンイはアパートでテレビを見ながら待っていたが、11時になっても叶晨は帰ってこなかった。
彼女は我慢できずに彼に電話をかけたが、誰も出なかった。
「この奴何かトラブルにでも巻き込まれたんじゃないだろうか……」
スンイの心はますます不安になっていった。最近起きていることが多すぎる。
叶晨や天正グループを狙う人たちが数多くいる。
スンイの心はますます焦り、彼女がそれを認めたくないが、叶晨が彼女の心に占める割合はますます重くなっていた。
いつの間にか、彼女はこの男の存在にすっかり慣れていた。
スンイはリビングで行ったり来たりして、思い悩んでいた。
突然、何かを思い出したかのように、彼女は素早く部屋から繊細な鍵を取り出した。
これは初めて二人がタクシーの中で汤臣一品について話したとき、叶晨が彼女に渡したものだ。
彼女はずっと叶晨が冗談を言っていると思っていたが、後で起こったいくつかの出来事を見ると、叶晨は本当に力があるようだ。
「この男、まさか汤臣一品に部屋を持ってるんじゃないよね……」
現在天正グループの登録資本は10億円だが、叶晨が100パーセント保有している。
しかし、汤臣一品の部屋の価格は10億円をはるかに超えている……
しかも彼が最初にこの鍵を彼女に渡したとき、何の所有物もなく、彼女に3000元を借りてさえいた。
思わずスンイは汤臣一品へ行き、鍵を見せると、警備員たちは素直に笑顔で迎えた。