蘇心媚は最初、「あなたは窮乏してるのか?ペットを見るだけで変異獣魂をあげるなんて」と言おうと思った。しかし、ハンセンの侮蔑的な表情を見て、逆に腹が立ってきた。
「たったの1つの変異獣魂だろ?これをやるから、お前のペットを出してみろ。神の血肉を食べさせる価値のあるペットがどんなものなのか見てみたい」蘇心媚は言い返し、変異獣魂を渡してしまった。そういうものは彼女にとってはたいしたものではないのだ。
ハンセンは蘇心媚が渡した変異兵績獣魂を見て、口元に微笑を浮かべた。人がお金を出してくれるなら、見せてあげてもいいだろう。
ハンセンは指を一振りし、ゴールドサンドワームキングの巨大な体が周りの草地上に現れた。そのコウゴン色のシェルに覆われた巨大な体は、まるで金色の装甲車のようで、見た目は非常に強大で圧倒的だった。
馬明潤と蘇心媚は驚き、飛び上がった。こんな大きなペットを見たことがない。どう見ても戦闘力の無いペットには見えない。
「ハン兄弟、その獣魂は神の血の戦闘状態になるペットを飼うために使ったのではないだろうか?」と馬明潤は驚愕のあまり尋ねてきた。
「神の血のペットというのは間違いない。ただ、まだ戦闘状態には変質していない」とハンセンは淡々と答えた。
蘇心媚も何も言わず、馬明潤もハンセンを見つめる目がやや複雑なものになってきた。彼らがゴールドサンドワームキングを見れば見るほど、ハンセンへの疑念は薄くなってきたが、ハンセンが神の血肉をペットに食べさせると思うと複雑な気持ちになった。
この世の中で神の血肉をペットに食べさせる人がいないわけではない。しかし、馬明潤と蘇心媚が見てきた中で、そういう人間はハンセンだけだった。
「ハン兄弟、あなたは鋼のアーマーシェルターに行くつもりですか?」と馬明潤がハンセンに再度話しかけた。
「海から非常に強力な神の血亀が現れたと聞いたので、栄光の避難所へ行ってみようと思っています」とハンセンは正直に答えた。