キャンプの中心地にあるテントで、韓瀟はテーブルの上に広がるブループリントを前に、プレイヤーの優位性を如何に生かすかについて考えていた。
彼が任務を発行できる枠が増えてきており、一回の最高報酬額は6万を少し超えている。C級任務発行の基準である8万にはまだ及ばず、1日の総額は一回あたりの7倍で、つまり彼が毎日配置できる総報酬は42万の経験値となる。額の増加を望むなら、陣営の好感度を高めるのが最も簡単な方法だと彼は気付いた。レベルや段位は自然に上がり、レジェンドレートは運次第だ。
枠を引き上げるのに、自身の経験値を使う必要はない。
都市を建設するという大任務に対して、彼一人の枠は杯水車薪だと感じた。そのため、韓瀟は何度も考えた末に、任務発行の方法を決定した。それは、灰鉄廃墟の建設をさまざまなセクションに分割し、それぞれに責任者を設定し、プレイヤーはその責任者から作業(任務)を受け取ることで、自身の枠を消費することなく任務を割り振るというものだった。
第三避難所の設立はメインストーリーである。自分がプレイヤーに任務を与えられるなら、チーム内の他のNPCもそれが可能であるはずだ。
「これで任務の枠の制約を解消できるはずだ。他のNPCにはダッシュボードはないが、都市建設チームに所属している以上、任務発行は問題ないだろう。」
他のNPCに任務を委託することで、自分の枠の制限を回避し、さらに自分の任務にも助けとなる。なぜなら、彼が担当するのは統合された任務であり、プレイヤーが建設した最終結果が彼の任務結果となるからだ。プレイヤーと自分の任務の違いは、立場の違いから生じる。韓瀟は避難所の総責任者で、それが彼の優位性である。
韓瀟は新しい考えが浮かんだ。次に同じような大きな任務に遭遇した際には、この経験を活用し、自身がNPCであるという優位性を使って、より高い陣営関係を得て、任務発行者となり、プレイヤーのパワーを借りて目標を達成することができるのではないかと。