ジャスミンの視点
ジャスミンはゆっくりと目覚め、体を動かそうとした。
うつ伏せで寝ていることがわかった。髪の毛が枕に触れている。
彼女は眉をひそめた?
枕。
そして、シルクのようなシーツの柔らかいベッドの上にいることに気づいた。
これまでの人生で、こんなベッドで眠ったことはなかった。
地下牢にいるはずじゃなかったのか?
最後に覚えているのは、運ばれてきた食事と水を飲んだ後、弱くなって気を失ったことだった。
ゆっくりと起き上がると、背中が露出していることに気づいた。
何が起こっているんだ?
彼女は優しく腰のあたりのシーツに触れ、胸の上まで引き上げながら体を回転させて真っすぐ座った。
周りを見回し、何が起こっているのか理解しようとした。
豪華な家具、大きな絵画、美しい窓のある巨大で贅沢な部屋にいた。
月の光が部屋に差し込み、輝いていた。それが部屋唯一の光源だった。
ろうそくは一つも灯されていなかった。
突然、首に痛みを感じ、首筋を優しく触ると縫い目があった。
いつこんなことになったんだ?
ゆっくりとベッドから降り、月明かりが射し込む窓に向かって歩いていくと、驚いたことに、ソファーに横たわるザデンがいた。
彼女は凍りつき、心臓が激しく鼓動し始めた。
また彼女をレイプしたのだろうか?
自分の体を見下ろした。
しかし、前回のような脚の間の痛みはなく、ただ体が弱っているだけだった。
それから彼の方を振り返った。
彼の体中にタトゥーがあり、とても平和そうに眠っているように見えた。
短い黒髪が顔を縁取り、長いまつげが眠りについていた。
彼が男たちの階層全体の殺害を命じたり、彼女の義理の兄の首を切り落としたりできるとは信じられないだろう。
いや、彼の寝顔は、まるで天使のようだった。
ジャスミンは何に突き動かされたのか分からなかったが、彼の髪の毛の緩いカールに触れようと手を伸ばした。
彼女の手が彼の顔に近づいたとき、一瞬のうちに彼は彼女の腕をつかんだ。彼の目はまだ閉じたままだった。
彼女は驚いて飛び上がったが、十分に速くも強くもなかった。