しかし、二つの矢が接近したとき、奇妙な光景が発生した。京極雅の矢が外れるどころか、まるで鉄がマグネットに引き寄せられるかのように、ハンセンの矢に向かって加速した。
バン!
二つの矢が衝突し、ハンセンの力がそれほど強くないように見える矢が、京極雅の矢を直接吹き飛ばした。しかも、錯覚かもしれないが、ハンセンの矢が逆により速く、より強くなったようだ。
バンバンバン……
連続して矢が衝突する音が一つになり、間隔が区別できなくなった。
ハンセンのその矢は、京極雅の10本の矢と連続して衝突し、一対十。それはまるで無敵の神兵利器で、京極雅の10本の矢を一瞬で吹き飛ばし、その力は全く弱まらず、むしろより猛烈で覇道なものとなり、まるで黒色の雷が虚空を裂くようだった。
ドン!
矢が京極雅の胸へと直撃し、強大な力が彼を後ずさりさせる。彼は尻もちをつき、地面に腰を落とした。
それにより京極雅は完全に呆然としてしまい、瞳孔が縮小して極点に達し、信じられないような表情で自分の胸に突き刺さった矢を見つめて、全てが嘘のようだった。
事実、弓道の訓練場全体が静まり返っており、誰もがこれほどの結果になるとは思わなかった。誰もが想像できなかった。ハンセンが11.0の練習弓で、思いつきで射った一本の矢、さらには弓をフルに引いていない矢が、これほどの信じられない力を持つとは。これは物理学の法則を全く無視している。
ハンセンはぼけっとしている京極雅の前に行き、彼の肩を叩いた。「小雅、本物の螺旋矢を学びたいなら、暇な時に私を探してきてくれ。教えてあげるよ。」
言い終えると、ハンセンは京極雅の胸から競争用の矢を抜き、手ぶらに戻し、弓と矢をもとのラックに戻した。そして弓道の練習場を出て行った。京極雅はまだ座っていて、彼が去って行く背中を見つめて、しばらく動かなかった。
「やべー、大神はやっぱりすげーな、めちゃくちゃかっこいいぜ。これが本物の螺旋矢だよな。」
「だから言ったじゃん、大神の螺旋矢を簡単に覚えるわけないって。京極雅がもろもろ練習したのは結局表面だけだったんだな。」