しばらく躊躇した後、パーキーは信じた方が良いと判断し、正直に答えた。「銀灵人の一人が暗黒星の使者だと名乗り、私は彼から漆黒のビーズを見つけました。それが何なのかわかりませんでしたが、宝物だと思って持っていました。しかし数日前の埠頭での戦いで、ビーズを失くしてしまい、誰かが拾ったかもしれません...」
ビーズを持っていなかったので、正直に話しても損はないと考えた。相手は暗黒星である可能性が高く、彼の憧れの存在であることは置いておいても、暗黒星の行動様式から考えて、情報提供を拒否すれば結果は明らかだった。リスク計算では、妥協が最も安全な選択だった。
韓瀟は目を細めた。
ビーズ?それは何だ?前世ではこの出来事について聞いたことがない。
もしかして隠しストーリーか?
韓瀟は心を動かされた。その可能性はありそうだ。暗黒星が灰を派遣するほど重要視しているということは、前世で誰も発見できなかった大規模な秘密のミッションかもしれない。
「協力的だな。情報提供の報酬として、いくらか支払おう」
「報酬は結構です。私は暗黒星に加入できることを望んでいるだけです」
パーキーは手を擦りながら言った。
これを聞いて、韓瀟は納得した。なるほど、情報を明かす前に値段交渉をしなかった理由は、暗黒星の潜在的支持者だったからか。以前、パーキーの資料でミックスブラッド・ゴドーラ人だと知った時から予想はしていた。暗黒星の名を借りたのは、騒動を起こす以外に、運を試す意味もあったのだ。そして、それが的中した。
実際、推理は難しくなかった。パーキーはミックスブラッド・ゴドーラで、秩序から追われている逮捕犯だ。政治的傾向としては暗黒星を支持する可能性が高い。
韓瀟が暗黒星の名を使えたのは、灰が秘密を守るために本当の身分を隠すだろうと考えたからだ。灰が先に尋ねに来ても、別の身分を使うはずで、自分は丁度良いタイミングで利用できた。もし傭兵の身分で接触していれば、パーキーは敵意を持ち、情報を得られないどころか、自分の正体が露見する可能性もあった。
咳払いをして、韓瀟は厳かな表情を装った。
「君の信念は見た。君は覚悟のあるゲートラ人だ。我々の偉大な事業には、君のような熱血漢が必要なのだ...」