体力テストセンター、進化者のためのテストホール。
趙博山はバーチャルスクリーンに表示されたA級総合資質評定を見て、内心秘かに得意に思った。
A級の総合資質評定を得るためには、力量、速度、爆発力、跳躍力、筋肉の弾力性、骨格の強度、内蔵の機能など、100項目以上の能力が平均して10点以上でなければならない。
A級の総合資質を持つと、基本的には万能の才能であり、進化後に第二神の避難所の世界に入ると、良好な発展の前途が見込める。
また、A級の総合資質を持つと、軍学校への進学の確率は80%以上となり、その時に普通にパフォーマンスを発揮すれば、無事に軍学校に入学することができるはずだ。
趙博山は既に、自分が軍学校に進み、優れた成績で卒業し、星間戦艦の艦長になった後、星空の中で戦艦を指揮し、次々と勝利を収め、人間から尊敬と賞賛を受けることを夢見ていた。
「さっきの最終的な実戦テストが上手くいかなかった。もっと上手くいけば、多分AA級の評価がもらえるだろう。もう一度試してみよう。」趙博山は再試験をしようと思い立ったが、先ほど使用した試験会場はすでに他の人が使用していることに気付いた。
趙博山は考えた。試験はすぐに終わるし、他の会場に行くよりもここでしばらく待つ方が良いだろう。
しかし、趙博山が左を見ても右を見ても、中の人が出て来ない。もうすぐ出て来ると思ってちょっと待ってみたが、結局、何度もしばらく待っても、中にいる人が出て来ることはなかった。
"なんでこんなに遅いんだ、こいつは一体どれだけのろまなんだ?最初から他のホールに行けばよかった、もうとっくにテストは終わってるはずだ。"と趙博山は心の中でイライラしていた。でも、今更引き返すのもなんだか納得がいかなかった。
歯を食いしばり、趙博山は機器の前に行き、お金を払って観戦システムを選んだ。その途端、テストホール内のホログラフィック画像が投影され、彼の目の前に完全に展開された。
"いったいどれだけのろまなんだ、こいつ。こんなに時間がかかってまだテストが終わってないのか。"と趙博山はテストホールのホログラフィック画像の中に目を落とし、黄金の人影が体力総合テストの最終局面、つまりロボットの通路にいるのを確認した。