この人物は他ならぬ、かつての楚州中国医学会の罗成!周通の弟子!
目の前の罗成は目つきが陰気さを増し、全体的に痩せてずいぶん人間らしさがなくなっていた。
シンギョクは眉をひそめて言った。「罗成、どうしてこんな状態になったの?もしかして何か邪悪なアートを修行しているのでは?」
罗成は陰気な顔で言った。「すべてはお前のせいだ…」
「私のせい?」シンギョクの眉がわずかに顰められた。
「私はお前に何もしていなかったはずだろう?」
罗成は怒りに震えながら言った。「何もしていない?お前のせいで、私の自尊心が完全に砕け散ってしまった!夢も一緒に崩壊した!
「お前がいなければ、私は必ず中国医学会の会長になり、万人から尊敬を受けることができたのに!」
「でもあなたの出現で私の全てが破綻したのだ!」
シンギョクは首を振りながら言った。「罗成、自尊心が脆すぎるんじゃないか。私に勝たれただけで、自尊心が傷つくとはどういうことだ?」
「あなたには分からない。」罗成は冷たく言った。
「あなたは小さい頃から褒められて育った人が、どんな心の境地にあるか全く理解していない。」
シンギョクは罗成を見つめて、冷たい声で言った。「罗成、お前の考えが間違ってる。お前の欲望が野望を支えられないのだ。」
「黙れ!」罗成は冷たく言った。
「今の私は韩家の者だ!お前には私に指図する資格などない!」
シンギョクはそれ以上言葉を続けなかった。
罗成の展開について、シンギョクは少し驚いていた。
当初、シンギョクは罗成の事をかなり高く評価していたが、彼が道を誤るとは思わなかった。
罗成の状態を見るに、彼が何か邪悪なアートを修行した結果、今のような人間らしくもなく、幽霊でもない姿になったに違いない。
「閣主がお越しになりました!」
その時、外から大きな声が聞こえた。
続いて閣主が多くの取締役長老達に伴われて、ゆっくりと部屋に入ってきたのが見えた。
「薬神閣の閣主にお目にかかります。」罗成は閣主に対して微々たる礼をした。
閣主はうなずき、罗成の様子に対しては特に驚きを見せていなかった。
閣主の到着とともに、今回の選挙が正式に始まった。