「罠?何の罠を仕掛けれれるの?」シンギョクはあまり気にかけていないように見えた。
桃子はからっきしどんくさい人だったので、それ以上何も話さなかった。
二人はここでずいぶんと長い間、待っていた。
昼頃になると、外から人が入ってきた。
その人は若者だった、華やかな服を着て、圧倒的な雰囲気を纏っていた。
それに、彼の後には二人の護衛風の男たちがついていた。
シンギョクがしっかりと見ると、どうやらその護衛は三品大宗師だった。
「護衛までが三品大宗師とは、相当な一族に違いない。」シンギョクは心の中で思った。
その若者は大股でシンギョクの前まで歩いてきて、堂々と座り込んだ。
彼はシンギョクを上から下まで見て、「あなたが私の治療をするのか?」と言った。
シンギョクはうなずいて言った。「そうだ、何か具合が悪いところでも?」
若者はゆったりと腰を伸ばし、「お前は薬師だろう。どうして何が甲斐性がないか分からないのか?」と言った。
シンギョクは眉間にしわがより、「この男の態度は少し気に食わない」と思った。
「まあいい、今回は薬を買いに来ただけだ。長老とはもう話をつけておいた」と若者は手をぶんぶん振った。
彼は一枚の処方箋を取り出し、テーブルに置いた。
その上には四、五種類の丹薬が書かれていた。
これらの丹薬はどれも一般的なもので、処方の準備は難しくなかった。
「シンギョク、私に任せて」と、この時、桃子が突然言った。
シンギョクはうなずいてこう言った。「それを期待していた」
しかし、その時、若者が突然立ち上がり、シンギョクを冷たい目で見つめ、「君がそのシンギョクか?」と言った。
シンギョクは疑り深く言った、「君とは知り合いだっけ?
その青年は大笑いしながら言った。「ハハハ、確かにお前は僕を知らないが、僕はお前を知っているわ!」
「私は韓家の韓士勳だ」と、青年は冷ややかに言った。
「韓家?京都の韓家?」シンギョクの顔色が微妙に変わった。
青年は淡々と言った。「そうだ。思いもよらないところであった者の道は狭いな、ここでお前に出会えるとはな」