メロスは左に一太刀、右に一太刀と楽しげに振り回し、突然敵が消えて、韓瀟がドアを開けて入ってきた。メロスは疑問に思い、「何のためにここに来たの?」と尋ねた。
韓瀟はニッコリと笑い、「一人で練習するのはつまらないから、さあ、お互いに打ち合わせてみよう」と言った。
Bランクに到達した後、まだ試合に出ていなかったので、心がうずいていた。彼は正直な人間で、無理矢理プレイヤーを攻撃するようなことはしなかった。ちょうどメロスはベテランのBランクで、釣り合った相手だった。戦ってみることで意味があると、このメロスさんとの交戦が彼自身のパワーがどこまで到達したかを理解するのに便利だった。
自分の状況を心に描けば、これからの行動に自信が持てるだろう……えほん、行動には自信が必要だ。
「打ち合わせ?」
メロスは呆然とした。心の中では一つの思考だけが渦巻いていたー君とは?
超能者のランクと胸の大きさは全然違うだろ、CとBの差は天と地の差、全く異なる戦闘力だ。一方的に押し倒されるような戦いではなく、両者が釣り合って初めて「打ち合わせ」と言えるのだ。
メロスは気が進まなかった。自分が強すぎて、戦いでは韓瀟を傷つけてしまうことが容易だったからだ。
しかし、すぐに思い直した。韓瀟のこの行動は、傭兵団の他のメンバーと同じで、「教えを請う」とでも言うべきだろう。メロスは突然理解したーなるほど、これが団長の意図だったのか。彼に指導を求めているのだ。
「問題ない、何か準備することがあるのか?」メロスは気楽な顔で承認した。教えを辿る者は師となり、助け合うことは、彼は仲間を指導することに喜んでいたし、韓瀟の安全は彼にとって非常に重要で、韓瀟が少しでも強くなれば、彼も安心できるからだ。
韓瀟は遠慮せずに、メロスに待ってもらい、次々とメカニック装備を運び込んだ。全ての武器をテストしなければ、労苦の同級者対戦相手に対する敬意が足りないだろう。
メロスは初めは平然としていたが、武器がどんどん増えていくと、顔がひきつり始めた。韓瀟がへいほ、へいほと言いながら数人大の電磁軌道砲の雛形を運びこむと、思わず息を呑んで大声で言った。「ちょっと、適度にしてくれる?」