数分待つと、一人の男がカフェに入ってきて、韓瀟の向かいに座った。深緑のトレンチコートを着て、サングラスと帽子をかぶり、マフラーで首を巻き、顔の下半分を隠していた。男は金属製のアタッシュケースを持ち、テーブルの上に置いて、韓瀟を黙って見つめていた。
販売者は取引相手が黑い幽霊だと知っていたが、韓瀟は今は見知らぬ顔だった。
韓瀟と販売者はしばらくの間、お互いを見つめ合い、沈黙の中でお互いの身元を確認した——見知らぬ人が一言も言わずに、ただじっと相手を見つめることなどないのだから。販売者はパスワードを入力し、ケースを韓瀟の方に開いた。
中には環状の小型装置が入っており、様々な回路が露出し、構造は複雑で、中央には円柱状の隆起があり、黒い金属外殻の隙間から赤い光が点滅していた。これはかがり火小型反応炉で、太陽エネルギーと濃縮燃料を通じて自動的に電力を生成するエネルギーコアであり、エネルギー部門の昇進装備であり、また超能者の武装でもあった。気力も燃料として使用でき、エネルギーに変換できた。
自動充電のバッテリーがあってこそ、補給の手間が省ける。メカにとっては核心的な材料だ。戦闘中にバッテリー交換なんて、それこそ恥ずかしい話だ。
韓瀟は手で触って確認し、これが本物でモデルではないことを確かめると、携帯コンピューターを取り出し、ダークウェブアカウントから販売者に支払いを済ませ、素早く「逃げろ」と言った。
続いて、韓瀟は販売者の反応を待たずに、かがり火小型反応炉をバックパックに放り込み、急いで立ち上がると、病気の鷹を取り出し、確認済みの監視目標に向かって連続で発砲した。
実は取引が完了した瞬間、監視していたオーディフィンのスパイたちは行動を起こそうとしていたが、韓瀟の方が一秒早く、先制攻撃に出た!
大口径の鋼心弾丸が炎の中から飛び出し、数十メートル以内の動能は狙撃弾に劣らず、撃たれた数名の監視スパイたちは吹き飛ばされた。